Strange Tortoiseの妄想博物館

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建築探訪6日間の旅~或いは、センチメンタルジャーニー~1日目・佐賀

人生の中休みも終わりを迎えようとしている3月半ば。休み最後の旅に出た。

台湾くらいは行けなくもなかったけど、あまり日もなく、急に決めたので、今回は国内をだらだらぶらりとすることに。
ぼんやりと「行ってみたいな~」と思っていた場所を繋いだら、やっぱり「建築探訪」というテーマができあがってしまった。
そんなわけで、佐賀・武雄~北九州~神戸~近江八幡への旅。
行く場所はざっくりと決め、一部を除いて詳細なプランニングはない。思いつきでフレキシブルに動いてもいい。そんな感じで。

2018年3月21日(水・祝)
どうせ九州に行くなら、スターフライヤーに乗りたい。
あのスタイリッシュな機体と内装。タリーズのコーヒーもいただけるし。
というわけで、まずは福岡 or 北九州着いずれかになる。
日程や目的地も考慮し、まずは羽田→福岡へ。
空港から地下鉄で博多に移動すると、ちょうどランチタイム。
普段はラーメン屋に入ることはほとんどないのだが、せっかくの博多、駅ビルのとんこつラーメン屋に。
ここがなかなか美味しいお店で、珍しくスープまで飲み干してしまった。

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博多駅ビルの「博多ラーメン 一杢」
 
この日の目的地は、佐賀・武雄温泉。
「佐賀にたしか、辰野金吾の楼門のある温泉があったな。嬉野だったっけ?」と検索したところ、それは武雄温泉だった。
しかも、大正4年(1915年)4月12日に完成した、とある。
「あらやだ、わたしったら楼門と誕生日が一緒だなんて…これは行くしかない!」と決めたのがコトの発端。
※筆者は元来、神社仏閣などの門に魅せられた”門ヲタ”である
 
行き方や宿を調べたが、やはり一人で泊まれそうな温泉宿はなかなかなさそう。
というわけで、温泉街にある鄙びたビジネスホテルを予約。武雄温泉入浴券付プランにした。
博多からは特急みどり佐世保行きで1時間10分ほど。15時過ぎに武雄温泉着。

宿でひと息ついたら、楼門へ。
まずは外観のみ堪能。翌朝の楼上見学タイムを楽しみに待つ。
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これが武雄温泉の楼門!

門をくぐった正面にある武雄温泉新館も辰野金吾による建築。現在は資料館となっている。

男湯の浴槽の床はマジョリカタイルになっている。2階の広間、廊下もいい感じ。
東京駅駅舎の建設とほぼ同時期に、辰野は故郷・佐賀に竜宮城のような温泉リゾートを手がけていたのだ。

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武雄温泉新館。こちらも辰野金吾による
 
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マジョリカタイルの浴槽
 
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2階の長い廊下と大広間
 
さほど広くない温泉街をぶらぶらしていると、なにやら、におう、ここは何かある…という路地を発見。
進むと、そこは長崎街道の鍵形道路。廃業した洋風建築の医院が佇んでいたり、幕末の医師、中村涼庵旧宅などがあった。
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旧医院と思われる建築

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武雄温泉のメインストリート?突き当りが楼門

夕飯処を物色しつつ、駅の方までぶらぶら。めぼしいお店がなかなか見つからない。
結局、温泉街に戻り、ちょっと気になっていた和食屋「福太朗」さんで天ぷら御膳をいただいた。揚げたてサクサクで美味しい。
寡黙な板前さんと指示に従うおかみさん、といった感じでひとりカウンター席では少々緊張したが千葉からの旅と知ると気さくな笑顔を見せてくれた。
 
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福太朗さんの天ぷら御膳
 
宿に戻り、ひと休みしてから温泉へ。
楼門をくぐった左手の本館に、元湯と蓬莱湯がある。
地元の人たちも銭湯的に利用している温泉だ。

わたしは昔ながらの元湯へ。
現在使用されている木造温泉施設の建物としては、日本最古(明治9年)とのことで、あの道後温泉よりも古い。

武雄温泉元湯
http://www.takeo-kk.net/spa/001331.php
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ライトアップされた夜の楼門

あつ湯は無理そうだったので、ぬる湯へ。やわらかく、肌がしっとりするお湯だった。
久々の温泉を堪能し、風呂上りにオロナミンCをぐびっと飲みほしてホテルへ戻る。
こうして一日目が終わった。
 
この日の脳内ヘビロテもしくはテーマ曲:「風に吹かれて」森高千里(1994年)


”遠い街ならあなたのこと 思い出にできそうだわ”