Strange Tortoiseの妄想博物館

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建築探訪6日間の旅~或いは、センチメンタルジャーニー~2日目・北九州

2018年3月22日(木)
朝食はホテル併設のレストランにて。
お母さん手作りの朝食という感じで、美味しかった。
そして、朝9時から楼門の見学ができるというのでいそいそと向かう。
※見学会は2019年3月31日までの期間限定
 
受付を済ませ、楼上へ。
ボランティアガイドさんが詳しく説明してくれる。
天井の四隅にいる干支(酉・子・卯・午)の彫絵がウリなのだが、なぜかというと、同時期に建てられた東京駅駅舎の天井には、ここにはない残りの8つの干支がある。
つまり、この楼門の干支と合わせて十二支が揃うというのだ。
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楼門の2階の格天井の四隅の干支の彫絵。通気口の役目だそうだ

辰野金吾が意図したものかどうか、諸説あるようだが、ここではロマンとして語りたい面もあるらしい。
楼門と新館の建築については、改めて別立てで記事にしたいと思う。
 
さて、昼前の特急で次の目的地へ向かうのだが、武雄温泉駅で気になる駅弁を発見。
ちょっとお高いけれど、電車の中でのランチタイムにちょうどよい。
佐賀牛極上カルビ焼き弁当。これが、わたしの駅弁人生の中で頂点に躍り出たのだ。
冷めていても美味しい。ちゃんと牛肉の味がする。いい肉最高!
孤独のグルメ」ばりに脳内であれこれ独りごちながら味わう。

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うれしの茶と共にいただく「佐賀牛極上カルビ焼肉弁当」

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冷めていてもほんとうに美味しかった。値段は2000円弱也
 
そんなこんなで博多着。ここで次の特急ソニックに乗換え、小倉へ。
博多~小倉間は思っていたより距離があった。
 
小倉では、TOTO MUSEUMへ。
TOTO本社隣に、その外観からもそこはかとなく衛生陶器を思わせる建物がある。
ショールーム的な役割もあるようで、リフォームや新築のお客様を営業マンが案内している様子も見られる。
企業のあゆみ、食器の歴史から、水回りの製品を時代を追ってこれでもか!と展示しているコーナーが圧巻。
便器、洗面台、ユニットバス、水栓金具等…歴史的建造物のトイレやバスルームの再現部分もあり、思わず長居をしてしまった。

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これだけ楽しめて、入館無料。
ミュージアムグッズもかわいいものがあったので、つい買ってしまう。
 
TOTO MUSEUMを後にして、旦過市場を少しふらりと。旅先では商店街や市場を訪れるのも楽しみのひとつだ。
ここはとても活気があり、生鮮食品が安い。近所にあったらいいなぁ。

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活気ある旦過市場

移動でちょっと疲れたので、駅ビル内のカフェで糖分補給しながら思案。迷った挙句、八幡へ向かうことに。
八幡には村野藤吾の建築が残されている。
実は、そのうちの八幡市立図書館(1955年)が見たかったのだが、旅の直前になんとなく調べていたら、すでに解体されて建替えられてしまったというのだ…。

もう一つ、八幡市民会館(1958年)も、老朽化で閉館してしまったが、建物自体はまだ保存されているようだ。
現役の建物は福岡ひびき信用金庫本店(1971年、旧北九州八幡信用金庫本店)のみだ。
駅前から皿倉山へ向かうようにのびる広い道路を歩くと、左角にその建物が見えてくる。

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福岡ひびき信用金庫本店(1971年、旧北九州八幡信用金庫本店)

同じ金融機関建築だからか、ほぼ同時期の大手町の旧日本興業銀行本店ビル(1974年、現存せず)をちょっと思い出す。
そして、やはり窓がかわいい。わたしはそれらを「村野窓」と呼んで愛でている。
ついでなので、市民会館と図書館があった場所まで行ってみた。
市民会館は隣の工事現場の資材置場や駐車場になっていて近くでよく見ることができなかった。
図書館はいかにも現代的な公共建築にとって代わられていた。
 
日没も近づいてきたので、いよいよこの日の目的地、門司港へ。
門司港駅に着いた瞬間から、この港町に惚れている自分がいる。
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もう惚れざるを得ない佇まい

宿泊は、プレミアホテル門司港旧門司港ホテル)。ほぼ駅前と言える立地、イタリアの建築家アルド・ロッシによる建築(1998年)。
出来たときはちょっと話題になったような覚えがある。
ビジネスホテル並みの価格のお部屋お任せプランにしたのだが、レトロ街に面したいい感じの風景が見えるツインルーム。
窓の外はまるでイタリアの港のようだ(行ったことないけど)。すでに1泊じゃもったいない気分になっている。

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アメリカの貨物船が桟橋で待ってるよ

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絵になる眺め

駅で仕入れたパンフを参考に、夕食は回転寿司(といっても回っておらず、タッチパネル注文形式)へ。
ふぐ白子軍艦、アラ、鰆、かますの炙りなど、関東ではあまりなじみのないネタを中心にいただいた。
シャリが小さいので永遠に食べられそうだったが、予算的に適当なところで切り上げた。
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ふぐ白子軍艦。美味しゅうございました
 
夜の街を少し散策し、翌日のプランをぼんやり立てながら、ホテルへ戻る。
 
この日の脳内ヘビロテもしくはテーマ曲:「道」森高千里(1990年)
”町も坂も橋も駅も 川も船も鳥も港も あなたの思い出 忘れないわ”