2018年05月26日(土)
2018年4月以降は、なかなか旅に出られる機会がなかった。
そんな中でも、特別公開に応募して当選したのが、神戸の旧乾邸と京都・大山崎の聴竹居だ。
建築家・藤井厚二の自邸である聴竹居は9月に訪問。撮影した写真のWEB公開不可(撮影自体は申請すれば可能)のため本ブログでの紹介はなかなか難しいのだが、昭和初期にオール電化なことや、環境共生実験住宅として気候や立地に馴染む工夫が随所にみてとれる。藤井自らデザインしたモダンなしつらえもみどころだ。
事前申込すれば見学可能なので、興味のある方はぜひその目でご覧いただきたい。
そんな中でも、特別公開に応募して当選したのが、神戸の旧乾邸と京都・大山崎の聴竹居だ。
建築家・藤井厚二の自邸である聴竹居は9月に訪問。撮影した写真のWEB公開不可(撮影自体は申請すれば可能)のため本ブログでの紹介はなかなか難しいのだが、昭和初期にオール電化なことや、環境共生実験住宅として気候や立地に馴染む工夫が随所にみてとれる。藤井自らデザインしたモダンなしつらえもみどころだ。
事前申込すれば見学可能なので、興味のある方はぜひその目でご覧いただきたい。
聴竹居Webサイト
http://www.chochikukyo.com/
http://www.chochikukyo.com/
現地でこちらの書籍を購入。ガイドブック的に読める一冊でオススメ。
「聴竹居: 藤井厚二の木造モダニズム建築」 (コロナ・ブックス)
さて、神戸の旧乾邸は年2回ほど特別公開の時期が設けられている。神戸市のWebサイトに募集要項が出るので要チェックだ。
この日は日帰りでの見学。まず新幹線で新大阪へ。大阪(梅田)で阪急線に乗り、最寄駅の御影まで約30分の道のり。阪急梅田駅もなかなか壮観。おしゃレトロな車体もよい。沿線の雰囲気は東京で例えると東急東横線か田園都市線か、というところだろうか。
まずは外観。
車寄せからしてすでに好みの物件。タイル張りの天井は、東南アジアの竹で編んだ天井を想起させるエキゾチックなデザイン。
正面玄関は、美しいグリーンのタイルに西アジア風なモチーフの壁画がお出迎え。ここだけですでにワクワクする。
玄関ホールもまたすばらしい。3階までの吹き抜け。チーク材の階段の手すりの装飾は一刀彫。
美しい一刀彫の手すりよ…
この手すりは3階のサンルームまで続く
はじめに、見学者一行はゲストルームに通され、建物の概要の説明を受ける。
優雅な雰囲気の中で、ピアノとフルートのミニコンサートも行われた。
優雅な雰囲気の中で、ピアノとフルートのミニコンサートも行われた。
シャンデリアは当初のものではなく、新調したものらしい。
左上の小窓は後ほど…。天井の縁取り装飾がかっこいいんだよな。
ゲストルームと2階をつなぐ階段。ここから主人が「やぁやぁ」とか言いながら登場したのだろうか。
まずは、ガイドさんについてひとまわり。途中脱落しても可能。その後は自由見学。
テラスでひと休みできるカフェも開催されていたが、わたしは見学に時間を回した。
ここからは各部を写真で紹介。
ゲストルームに続く食堂(見学者の写り込みが多く上部のみ)。レトロな照明がかわいらしい。
食堂から婦人室(和室)へ続く次の間
続いて、2階へ。
主人寝室。現在は応接セットが置かれている。
そして、主人寝室からゲストルームを見おろす小窓。ここで来客の様子を窺っていたのだろうか。
中央に浴室をはさんで、
婦人寝室へ。家具がかわいらしいのだ。
婦人寝室の作りつけの収納。これだけあれば箪笥とか必要がない。
衣装部屋。この邸宅は、どの部屋も作りつけの収納が充実していて感心しきり。
庭園からの外観はいかにも神戸の洋館といった風情。
これまで神戸の個人邸宅はいくつか観てきたけれども、芦屋のヨドコウ迎賓館は別格として、こちらの旧乾邸はもしかしたら最高峰かもしれない、と思った。
白鶴美術館
嘉納治兵衛は奈良の生まれで幼い頃から古美術に親しみ、主に日本と中国の古美術品を蒐集した。この日は香炉など、仏教の荘厳具をテーマにした展示が行われていた。奈良の寺院伝来のお経や仏具などもあり、失礼ながら予想以上に良品があり大変見応えがあった。
建築も奈良へのオマージュなのか?的なところが随所に感じられて、興味深い。
和風の大邸宅の入口のよう。石に館名が彫られている。これも御影石?
照明には鶴の模様が施されている。
御影にはこのほかにも実業家の蒐集品による美術館がある。
朝日の村山が嚆矢となり、商いの主戦場である大阪にも通いやすく、それまでにない職住分離というスタイルをこの地域で確立していったのだ。
そういった土地の歴史も紐解いていくと、邸宅の建築見学もより味わい深いものになる。