Strange Tortoiseの妄想博物館

旅/建築/音楽/美術/芸術/野球/蹴球/おいしいたべもの

神戸でたてものとたべもの。

2013年1月19日(土)

建築とスウィーツを堪能すべく、神戸へやってきた。 地元神戸の桂花さんに、ステキなコースをプランニングいただいた。 まずは、元町駅で待ち合わせ、さっそくこの旅の大きな目的のひとつ、元町サントスへ。 こちらは昔ながらの喫茶店、朝から地元のおじさん方が珈琲を啜る。 もちろん、お目当てはホットケーキ。正統派喫茶店の味。

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この日のブランチ的なホットケーキ

続いて海文堂書店。こちらも船グッズなどちょっと気になっていたので行ってみる。 柳原良平のにっぽん丸のクリアファイルなどを購入。 古本コーナーも素敵でまた神戸に来るときはぜひ立ち寄りたいと思っていたら、2013年9月30日、惜しまれつつ、閉店…。 ここからは神戸中心地の建築どころをめぐる。 竹中大工道具館(2014年新神戸駅方面に移転予定)。 ヒノキやヒバの削り屑の香りに癒され、カンナで木を削りたい衝動に駆られ、墨壺萌えとなって帰される恐怖の館。墨壺はどこかで見たことはあったはずだが、つくり方の解説や、アジアの墨壺なども展示されており、かなり圧倒された。単なる大工道具の域を超えた工芸品である。

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めくるめく墨壺の世界に圧倒される

参考:墨壺について(竹中大工道具館HPより)

竹中から歩いてすぐの、相楽園。 明治末期、元神戸市長・小寺謙吉氏の先代小寺泰次郎氏の本邸に営まれた池泉回遊式庭園。 異人館など西洋建築のイメージがある神戸の中心地にこんな立派な日本庭園があったとは驚き。 kobe03.jpg

個人の邸宅にしては立派すぎる正門

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旧小寺家厩舎(重要文化財)

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ハッサム住宅(重要文化財)

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姫路藩主が河川での遊覧に使っていたという「川御座船」の屋形部分 などなど、建築も見応え十分で満足。

続いて、兵庫県公館へ。土曜日は一般公開している(入館無料)。 kobe07.jpg

明治35年(1902)年に兵庫県本庁舎として建てられ、昭和60年(1985)年に、兵庫県公館として整備されてからは会議や式典に利用されているとのこと。設計は山口半六(他に東京・上野公園の旧東京音楽学校奏楽堂など)。

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会議室の照明が小さい花。凝ってる!

 

そろそろ小腹も空く時間帯。 元町へ戻り、ユーハイム本店へ。ここのビーフパイが食べたかったのだ。具がたっぷりで想像以上に肉の風味が生きている。 kobe09.jpg

ユーハイムのミートパイ 一服した後は、中華街から三宮まで買い物などもしつつ、ぶらぶら。 しかし。我々はこれだけでは済まない。 神戸では有名らしい「TOOTH TOOTH」のガーデンレストランで、ケーキを。

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イチゴタルト的なもの

東京でもめったに入らないようなこじゃれた店にどきどき。お洒落な女性たちであふれる店内。

お腹もすっかり満たされたところで、夜景を観に六甲山へ。 本来であれば日本三大夜景の摩耶山へ行きたいところであるが、工事のため交通手段が遮断状態とのこと。そこで、桂花さんが代替案として六甲山行きを計画してくれていたのだ。 阪急の六甲駅からバスで六甲ケーブル下駅へ。そこからケーブルカーで登る。 kobe11.jpg

六甲山上駅舎(昭和7年開業)の階段。丸いくりぬきがかわいい。近代化産業遺産だそう。 展望台は、雪が凍ってつるつる状態ではあったものの、冬の澄んだ空気下の夜景はすばらしい。

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大阪の方までぐわーっと開けた夜景。函館、長崎も行ったが、ここが一番だな、と思った。予想外に交通アクセスもよく「六甲山でかした!」感があった。

ふたたび、三宮へ戻る。神戸のご当地グルメといば味噌だれ餃子とのことで、 三宮高架下の老舗、瓢たんの味噌だれ餃子をいただく。甘辛の赤味噌が好みの味! kobe13.jpg

この店のメニューは餃子(と飲み物)のみ

 

最後は。 宿がJR神戸駅近くだったので、ハーバーランド・モザイクでいかにも神戸な夜景を眺めつつ1日目終了。 しかし、モザイクは以前来たときは東京でいえばお台場っていう賑わいのイメージだったが、だいぶ寂れた感があった。 (2013年春に神戸ハーバーランドumieとしてリニューアルオープンしたもよう) 翌日は一人でぶらぶら「お宅拝見」する予定。

 

2013年1月20日(日)

朝食にちょっと隣の町までおでかけ。

目的は、新開地の喫茶店「アキラ」のホットケーキ。 kobe14.jpg

このように切ってあるのがうれしい。

新開地は東京でいうと、錦糸町?という匂いがする土地。戦前から昭和30年代ごろまでは神戸の中心地、歓楽街だったらしい。 こちらの喫茶店も昨日の元町サントスと同様、朝から地元のおじさんたちがスポーツ新聞片手にモーニングに訪れている。 宿へ戻り、チェックアウト。 最初の目的地、舞子公園へ向う。 途中、大江千里の名曲「塩屋」の舞台に、ここかぁ…と感慨深く車窓からの海岸線の風景を眺める。 kobe15.jpg

この場所だけは彼氏と来るなよと大人げないこと言うぼくが嫌だよ♪

「塩屋」 by大江千里

 

舞子駅で降りると、目の前はもう明石海峡、そして明石大橋kobe16.jpg

 

本日のお宅拝見1軒目、 旧武藤山治邸

大熊喜邦による建築(ほかに国会議事堂、横浜銀行協会など)。 kobe18.jpg

外観。海に面して建っている。

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階段とステンドグラス

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天井が凝ったダイニング わたしの中ではなんとなく、規模は違えど、鳩山会館とイメージがかぶるお宅だった。

2軒目は、和風の旧木下家住宅

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欄間のデザインがなんとなく和菓子チック。 kobe27.jpg

応接間の模様のついたすりガラスも和菓子のパッケージみたいなデザイン。

上記2軒、どっちに住みたいかと言われたら、わたしは断然、木下家だな。

最後は、芦屋のヨドコウ迎賓館フランク・ロイド・ライトの建築。 kobe21.jpg kobe22.jpg

応接室がかっこいい。

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意外にも和室があった。襖の引手のデザインもいい。

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飾り窓もいちいちかっこいい。

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ダイニングから屋上に出られる。

 

迎賓館は細部に凝ったデザインを施してあるので「お掃除が大変だな」など、なぜか住人目線で心配してみたりする。 JR芦屋駅から迎賓館まではちょっと距離があるのだが、道すがら、芦屋の町はなんとなく千葉の市川(菅野あたり)に雰囲気が似ているなぁ…といつものクセで身近な知っている町と照し合せてみたり。 過去2度ほど神戸旅行をしているが、異人館や中華街、メリケンパークなどを観て、元町、ハーバーランドあたりでショッピング、夜は神戸牛や洋食、というのがメインだった。 年齢と経験を重ねると、観たいところも変わってくるものだ。 特に相楽園には驚いた。観光客は神戸でわざわざ日本庭園に行くなんてしないのだろう。 今度は下町っぽい商店街を歩いてみたり、五色塚古墳など、みんなが想像しない神戸を訪ねてみたい。